イソプロピルアンチピリン


ピラゾロン骨格を有する化合物でいわゆるピリン系の解熱鎮痛消炎薬

作用機序:サリチル酸誘導体と同様にプロスタグランジン(PG)合成阻害に基づくが,より中枢性に働き,比較的強い解熱作用,鎮痛作用を発現すると考えられている.

本薬剤による解熱鎮痛効果は,同様のピリン系であるアミノピリンとほぼ等しいが,単品としての特色は少なく,他の系統の解熱鎮痛薬と配合して相加的な効果が期待される.


副作用:いわゆる「ピリン疹」といわれる発疹をはじめ,血液障害(無顆粒球症,再生不良性貧血,血小板減少症など),腎障害等の重篤な症状がアミノピリンやスルピリンと同様に発現する可能性がある.その他,胃腸障害,頭痛,倦怠感など.

アレルギー体質やピリン疹,他の副作用歴を事前に問診することが必要.

その名称にピリンというフレーズを含むものだけではなく,同様な構造のピラゾロン骨格を有するものとの交叉感作性も問題となるので,ビラゾロン骨格を有するフェニルブタゾン等にアレルギーのある患者にも勧めるべきではない.


参考文献:

・堀 美智子監修,OTC ハンドブック 1999-2000  −基礎から応用まで−

・田中千賀子,加藤隆一編,NEW 薬理学 改訂第3版,南江堂,1996

・第12改正 日本薬局方解説書,廣川書店,1991