問1〜40までの設問の解答は、以下の10個の選択肢の中から選ぶこと。
a b c d
1.正 正 正 正
2.正 正 正 誤
3.正 正 誤 正
4.正 誤 正 正
5.正 誤 誤 正
6.誤 正 正 正
7.誤 正 正 誤
8.誤 正 誤 正
9.誤 誤 正 誤
0.誤 誤 誤 誤
問1.次の医薬品開発に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.医薬品開発における試験は、非臨床試験と臨床試験に分けられ、製造承認申請前の臨床試験には第
I 相から第 III 相までの試験がある。
b.臨床試験は、すべて被験薬の適応対象となる患者によって行われる。
c.臨床試験は、GCP(Good Clinical
Practice)の遵守のもとに行われる。
d.非臨床試験は、GLP(Good Laboratory
Practice)の遵守のもとに行われる。
問2.次の用語・英訳・その略語に関する対応のうち、正しい組合せはどれか。
a.治験コーディネーター ---- Clinical Research Associate ---- CRA
b.治験審査委員会 ----- Institutional Review Board ---- IRB
c.医薬情報担当者 ----- Medicinal Representatives ----- MR
d.説明と同意 --------- Informed Consent ------------ IC
問3.ヘルシンキ宣言に関する次の記述のうち、正しい組合せはどれか。
a.ヒトを対象とする研究において、被験者はその研究の目的、方法、予想される利益と危険性及び不快さについて、十分情報を与えられなければならない。
b.医学の進歩は研究に基づいているが、これらの研究の一部なりとも最終的には、ヒトを対象とした試験によらなければならない。
c.学術的な知識を深め、かつ苦しんでいる人々を助けるためには、研究室での試験から得られた成果を人に応用することは必要欠くべからざるものである。
d.臨床試験の実施に当たり、被験者から自由意志による口頭での同意が得られることが必要である。
問4.臨床試験(治験)に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.治験審査委員会は10人以上の委員で構成され、少なくとも1人は、医学、歯学または薬学の専門家以外の委員を加えなければならない。
b.新規薬物でも海外で十分に効果が報告されている場合には、インフォームド・コンセントを取得する必要はない。
c.臨床試験(治験)実施の責任は、基本的に製薬会社にあり、治験実施に関わるすべての責任主体は製薬企業である。
d.治験の途中、患者から治験薬の投与量を減らして欲しいという要望があれば、患者の利益を考え、担当医師は投与量を変更してもよい。
問5.これまでに緊急安全性情報が出された医薬品と問題となった副作用に関する対応のうち、正しい組合せはどれか。
<医薬品>
a.ジクロフェナクナトリウム --------- 劇症肝炎
b.トログリタゾン ------- 重篤な肝障害
c.オランザピン ------- 糖尿病性昏睡
d.塩酸チクロピジン ------- 水分貯留による心不全
問6.医薬品の有害反応に関する次の記述について、正しい組合せはどれか。
a.有害反応とは、「常用量の薬物の投与により、患者に起こるすべての望ましくない効果あるいは有害な効果」と定義される。
b.ある薬物のみを中止して症状や異常検査所見が改善すれば、中止した薬物が被疑薬と考えられる。
c.被疑薬を用いた皮内テストは、皮膚以外に発現する副作用においてもその薬物に対するアレルギー反応の存在を示し、信頼性が高い。
d.偽膜性大腸炎は、二次的有害反応の症状のひとつである。
問7.薬物アレルギーに関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.薬物アレルギーとは、ある特定の薬物あるいはその構造類似物質によって前もって感作(免疫)された個体が免疫機序に基づいて起こす有害反応のことである。
b.症状が同じであれば、その機序や原因薬物は同一と推定できる。
c.細胞障害型のアレルギー反応には、感作されたT-リンパ球とマクロファージが関与している。
d.外用剤によって起こりやすいのは、接触性皮膚炎である。
問8.次の用語は、医薬品の副作用として添付文書中に用いられることがある。用語とその意味の対応の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.Stevens-Johnson 症候群 -------
抗菌薬などの服用中に惹起される皮膚粘膜眼症候群。
b.横紋筋融解症 -------
手指がふるえる、よだれがでる、表情が変化する。
c.偽膜性大腸炎 -------
主に抗菌薬の投与により発症する大腸の炎症性疾患。発熱、下痢、腹痛などの症状を伴い、致死的である。
d.悪性症候群 -------
精神分裂病治療薬などの投与中に惹起され、高熱、発汗、筋強剛、無動、けいれんや意識障害を主徴とする症候群。
問9.次の薬物相互作用の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.ワルファリン服用中に納豆を食べるとワルファリンの抗凝血作用が増強することがある。
b.長期喫煙者では、テオフィリンの気管支拡張作用は非喫煙者に比べて短くでる傾向がある。
c.フェロジピンのようなカルシウム拮抗薬をグレープフルーツジュースとともに服用すると作用の増強が見られる。
d.ドキシサイクリンなどのニューキノロン系抗菌薬を牛乳とともに服用すると、作用の減少が見られる。
問10.薬物相互作用に関する次の記述の正誤のうち、正しい組合せはどれか。
a.プロベネシドを投与すると、尿細管細胞の有機カチオントランスポートにおいて競合阻害が起こるので、セファロスポリンの血中濃度が高くなる。
b.フルオロウラシル系抗腫瘍剤と抗ウイルス剤ソリブジンとの併用により、重篤な聴力障害が発現した。
c.シメチジンは、薬物代謝酵素のCYP3A4を阻害するので、同じ酵素で代謝されるシクロスポリンの血中濃度が高くなる。
d.リファンピシンの連用により薬物代謝酵素のCYP2D6が誘導され、デキストロメトルファンの作用が弱くなる。
問11.薬物代謝に関する次の記述の正誤のうち正しい組合せはどれか。
a.薬物代謝酵素の遺伝的多形(genetic
polymorphism)によって親化合物の血中濃度時間曲線下面積(AUC)は変化するが,代謝物のAUCは変化しない。
b.高齢者の腎機能の評価には血清クレアチニン値が良い指標となる。
c.Phenotype(表現型)の差異を規定する DNA
塩基配列情報の多様性を、genotype(遺伝子型)という。
d.新生児のUDP-グルクロン酸転移活性は非常に高く、生理的高ビリルビン血症の原因となる。
問12.病態による投与設計に関する記述のうち、正しい組合せはどれか。
a.肝障害時には、塩基性薬物に対する主要な結合タンパクであるアルブミン濃度が低下するので、タンパク結合率が高い薬物の血中遊離薬物濃度が増加する可能性がある。
b.肝硬変の患者では、ペンタゾシン、ニカルジピンなどの初回通過効果を受ける薬物の薬効が強く現れる。
c.典型的な腎不全状態では、α1-酸性糖タンパク(AAG)はむしろ減少する。
d.腎障害は薬物の腎排泄速度だけでなく、他の薬物動態パラメータにも大きな影響を与える。
問13.脳血管障害とその治療薬に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.脳血管障害とは、脳の血管に一次的な原因があって虚血や出血を生じることにより脳組織が障害される疾患の総称である。
b.脳梗塞のうち脳塞栓症は、動脈硬化をきたした脳血管局所に血栓が形成されて血管を閉塞することによって生じる。
c.脳内出血の急性期には、消化管出血予防の目的で、ファモチジンが用いられる。
d.再出血を防止する目的で、Ca拮抗薬などを用いる。
問14.パーキンソン病とその治療薬に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.パーキンソン病は、黒質のアセチルコリン作動性神経に変性が見られる進行性の神経変性疾患で、振戦、筋固縮、無動、姿勢・歩行障害などの運動症状を主徴とする。
b.パーキンソン病では、神経症候に左右差を認めることが多い。
c.MAO-B阻害薬のセレギリンを L-DOPA と併用投与すると、L-DOPA
の増量または投与回数の増加を抑えることが出来る。
d.L-DOPA を長期に投与すると、wearing-off 現象、on-off
現象、遅発性ジスキネジアなどが見られる。
問15.老年期痴呆とその治療薬に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.アルツハイマー病は、麻痺、運動失調症、感覚障害などの神経症候を示し、痴呆が徐々に進行する神経変性疾患である。
b.病理所見で、タウ蛋白質含有の神経原線維変化やβ-アミロイド蛋白含有の老人班が認められる。
c.塩酸ドネペジルは、アルツハイマー病の薬として許可されている。
d.最近の事柄に対する記憶の障害と失見当識が末期アルツハイマー型痴呆の特徴である。
問16.精神分裂病の病態と治療に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.急性期の症状は、コリン作動性神経の過剰活動によるものと推定されている。
b.慢性期の症状には、感情の平板化、自閉、意欲の低下がある。
c.塩酸クロルプロマジンは、陰性症状に著効を示す。
d.ハロペリドールを使用している患者に、まれに悪性症候群が現れることがある。
問17.うつ病の治療に用いられる薬物に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.三環系抗うつ薬はモノアミン再取り込み阻害作用を持ち、その薬効は通常投与開始後2、3日で現れる。
b.塩酸ミルナシプランは、セロトニンとドパミン作動性神経終末で特異的にセロトニンやドパミンの再取り込みを抑制する。
c.うつ病患者には、叱咤・激励は禁物である。
d.マレイン酸フルボキサミンは、うつ病やパニック障害に適応を持つ四環系抗うつ薬であり、MAO阻害薬との併用は禁忌である。
問18.心身症・神経症についての記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.心身症は、心理的原因によって心身に機能的障害を起こし特有の症状像を呈する。
b.神経症は、その発症や経過に心理・社会的因子が関係し、器質的ないし機能的障害が認められる病態をいう。
c.身体の機能障害に対する治療に抵抗を示すことが多い。
d.抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬のみらなず、抗精神病薬、炭酸リチウムやα遮断薬の使用によって軽減することがある。
問19.てんかんの病態と治療に関する次の記述の正誤について、正しいものの組合せはどれか。
a.種々の成因によってもたらされる慢性・反復性の大脳皮質ニューロンの過剰活動に由来する発作を主徴とする。
b.欠神発作(小発作)は、けいれんを伴わない数秒間の意識消失を伴う発作であり、小児に多い。
c.抗てんかん薬の投与は、作用機序の異なる複数の薬物を併用するのが原則である。
d.てんかん重積症患者の治療には、ジアゼパムやフェニトインを用いる。
問20.心不全の病態と薬物療法に関する正誤について、正しい組合せはどれか。
a.心不全の原因となる疾患として、心筋梗塞,弁膜疾患、心筋症、貧血、低血圧などがある。
b.心不全の兆候として、起坐呼吸、心縮小、頚部静脈の怒張、肺うっ血などが見られる。
c.心不全に伴いレニン・アンギオテンシン・アルドステロン系の活性が亢進する。
d.アンギオテンシンII受容体拮抗薬は、心不全患者の長期予後改善目的には用いられない。
問21.不整脈の病態と薬物療法に関する正誤について、正しい組合せはどれか。
a.洞房結節にある心臓の細胞のみが自動性を持つ。
b.P波に異常がみられると、心房性の不整脈の可能性が大きい。
c.シベンゾリンなど、Ia
群の抗不整脈薬では、抗コリン作用による催不整脈作用が問題となる。
d.アミオダロンでは、間質性肺炎や肺線維症などの重篤な副作用が発現することがある。
問22.虚血性心疾患とその治療に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.狭心症と心筋梗塞の主な病因は動脈硬化で、誘因や症状が異なる。
b.労作性狭心症では心電図上ST波が下降し、心筋梗塞ではST
波が上昇することが多い。
c.狭心症の痛みは、労作時のみに起こり、就寝中や安静時には起こらない。
d.冠スパスムの予防の目的で、Ca 拮抗薬が用いられる。
問23.心筋梗塞の病態とその治療に用いられる薬物に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.心電図の特徴的なパターンとして、ST上昇、異常Q波、冠状T波の順に出現する。
b.心筋梗塞の胸痛発作には塩酸モルヒネが用いられる。
c.ジルチアゼムには心機能抑制作用もあり、心仕事量を軽減し、心筋酸素消費量を減少させることが期待できる。
d.リドカインは不整脈の治療と予防の目的で用いられる。
問24.高血圧症の病態とその治療に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.原因不明の高血圧が、全体の約8割を占める。
b.高血圧の治療は、まず薬物治療で血圧を130/85 mmHg
未満にすることを目標とする。
c.カンデサルタンシレキセチルは、アンギオテンシン変換酵素を阻害することによりアンギオテンシンII
の生成を抑制し、血圧を下げる。
d.心不全や糖尿病を伴う症例では、アンギオテンシン変換酵素阻害薬が選択される。
問25.かぜ症候群の治療に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.通常かぜ症候群は、細菌感染により引き起こされる。
b.普通感冒の原因として、ライノウイルスによるものが多い。
c.インフルエンザ脳炎、脳症患者には、ジクロフェナクは禁忌である。
d.ザナミビルやオセルタミビルは、A型のみのインフルエンザウイルスのノイラミニダーゼの作用を特異的に阻害し感染拡大を阻止する。
問26.気管支喘息の病態とその治療に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.気管支喘息の原因は、気道の急性炎症による気道過敏性の亢進と考えられており、炎症細胞の浸潤と気道上皮剥離が特徴的である。
b.喘息の原因には、壮年期以降に多く見られるアトピー型(アレルギー性)と乳幼児など低年齢層に多く見られる非アトピー型(非アレルギー性)がある。
c.経口副腎皮質ステロイド剤は軽症から重症患者まで広範に用いられる。
d.オザグレルは、COX合成酵素阻害作用により、抗アレルギー作用を示す。
問27.骨粗鬆症とその治療薬に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.閉経後骨粗鬆症は、骨形成が骨吸収に比べて相対的に亢進した結果、骨量が減少する疾患である。
b.骨芽細胞は、コラーゲンやアルカリホスファターゼを分泌し、骨形成に関与する。
c.エチドロン酸二ナトリウムは、ヒドロキシアパタイトの結晶形成を亢進し、破骨細胞の機能を抑制する。
d.イプリフラボンは、骨吸収を抑制し、エストロゲンによるカルシトニン分泌促進作用を増強する。
問28.慢性関節リウマチ(RA)とその治療に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.関節局所の炎症性の疾患で、寛解・再燃を繰り返しながら徐々に軟骨・骨破壊へと進行する進行性の疾患である。
b.滑膜細胞、浸潤細胞からIL-1、TNF、PG
などの起炎物質が放出されて関節炎が起こる。
c.疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)は、効果が現れるまでに1〜2週間かかる。
d.ミゾリビンやメトトレキサートは、関節変形などの予防と治療、臓器障害の治療、免疫異常の是正などを目的として用いる。
問29.胃炎、消化性潰瘍の治療薬に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の長期投与時に見られる潰瘍に対しては、オルノプロスチルが用いられる。
b.H2受容体拮抗薬の副作用として、ショック、無顆粒球症、汎血球減少症、Lyell症候群、Stevens-Johnson症候群などがある。
c.オメプラゾールを代謝する酵素には、遺伝子多型が存在し、日本人では15〜20%のPM(poor
metabolizer) が存在する。
d.クエン酸モサプリドは5-HT2受容体を刺激し、消化管運動を促進し、胃排出促進作用を示す。
問30.胃炎とその治療薬に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.胃酸分泌を司る壁細胞には、アセチルコリン、ヒスタミン、ガストリンの3種類の受容体があり、酸分泌を惹起する。
b.ドンペリドンは、慢性胃炎における悪心、嘔吐、食欲不振、腹部膨満、上腹部不快感、腹痛、胸やけなどに用いられる。
c.テプレノンや塩酸セトラキサートは、胃粘液増加、胃粘膜血流改善および胃粘膜プロスタグランジン増加作用を有する。
d.ピロリ菌の除菌には、ラニチジン、アモキシシリン、クラリスロマイシンの3剤併用療法が用いられる。
問31.肝炎の病態と治療に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.
C型肝炎ウイルスは、主に食物や飲料水を介して経口的に感染する。
b.慢性ウイルス性肝炎では、自覚症状はほとんどない。
c.インターフェロン製剤はA型、B型およびC型慢性肝炎の治療に用いられる。
d.ラクツロースは腸内細菌によるアンモニアの産生を抑制するため肝性脳症を改善する。
問32.胆道系疾患と治療に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a.胆石症は、過剰の脂肪食などによる胆汁成分の異常、胆汁のうっ滞、胆道の炎症により発生することが多い。
b.腸内細菌によって生じる二次胆汁酸は、胆石形成の原因となる。
c.胆石とは、ビリルビンカルシウムを主成分として、胆道系に生じた固形物の総称である。
d.ウルソデスオキシコール酸は、胆汁分泌促進、胆石溶解作用を期待して、胆石症などに用いられる。
問33.膵炎の病態と治療に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.
慢性膵炎の原因として、半数以上がアルコールの大量摂取によるものと考えられる。
b.急性膵炎では、アミラーゼ、リパーゼ、エステラーゼなどの酵素値が高くなる。
c.急性膵炎の際は、絶飲絶食、胃液吸引を行い、D2受容体拮抗薬を投与し、疼痛の緩和には、鎮痛坐薬や麻薬を用いる。
d.慢性膵炎では、アルコール摂取の禁止、胆石の除去、鎮痛および、膵外分泌機能不全の補充、糖尿病の治療を行う。
問34.慢性腎不全で認められる症候とその治療薬との対応のうち、正しい組合せはどれか。
症候 治療薬
a.腎性貧血 ―――――――― ビタミン B12
b.高カリウム血症 ――――― ポリスチレンスルホン酸ナトリウム
c.骨病変治療 ――――――― カルシトニン
d.高血圧 ――――――――― ACE 阻害薬
問35.ネフローゼ症候群の病態と治療に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a.主要な病態は、糸球体障害の結果起こってくる蛋白漏出と高蛋白血症、その結果見られる浮腫、高脂血症、血液凝固の亢進である。
b.ネフローゼ症候群の一般療法としては、安静と蛋白制限が必須であり、薬物療法としてはエリスロポエチン療法が基本になっている。
c.ネフローゼ症候群に対する副腎皮質ホルモン薬は、初期大量、漸減、維持量投与を原則とする。
d.腎保護作用を期待して、ACE阻害薬や利尿薬が用いられる。
以下、ボーナス問題です:
問36.36歳女性、躁うつ病。7年前より気が滅入ってきたと訴え、徐々に意欲低下、頭重感、胸のつかえ感が出現した。同時に食欲が減退し、体重も減少してる。15歳ごろから躁状態、うつ状態を繰り返し、高校を中退している。高校1年のときに精神科を受診したが、すぐに通院をやめてしまっている。今回、自分から受診してきたが、希死念慮が認められている。この患者には、どのような薬物治療が考えられるか。
a.イミプラミンは、抗うつ薬で精神賦活作用にすぐれた薬なので、医師の指示を守り服用するように説明する。
b.うつ状態のときに服用し、躁状態のときは服用しないように指導する。
c.薬を服用し続ければ症状は良くなるので、やる気を出して頑張るように励ます。
d.通院を中断した経緯があるので、薬は継続して服用するように説明する。
問37.45歳の男性。3日前より38
℃の発熱、咳嗽、喀痰や咽頭痛が出現した。安静にしていたが、昨夜より39
℃の発熱、黄色の喀痰、咳嗽や咽頭痛も強度となり受診した。細菌性咽頭炎、急性気管支炎の疑いがあると診断され、セフェム系の抗生物質と抗炎症薬が3日間処方された。この患者への服薬指導に関して、気をつけなければいけない点およびポイントは何か。
a.薬物アレルギーについて質問する。
b.胃腸障害が出やすいので、抗生物質は必ず食後に服用するように指導する。
c.症状が軽減すれば不必要な服用を続ける必要がないことを伝える。
d.症状が軽減しない場合や、下痢・発疹が出現した場合は、速やかに再受診するように指導する。
問38.82歳の男性。約1ヶ月前から咳や微熱・倦怠感があり、かぜと思って市販薬を服用していたが、症状が続くため受診したところ、結核と言われて入院した。諸検査の結果、痰の塗抹検査陽性、肺には空洞もあった。どのような治療がなされるべきか、また、その治療において、どのような点に注意すべきか。
a.イソニアジド、リファンピシン、ストレプトマイシンによる治療を開始した。
b.エタンブトール、ピラジナミド、ミコナゾールによる治療を開始した。
c.聴力、肝障害、腎障害がないかどうかチェックした。
d.便や尿が赤くなることがあるが、心配ないことを説明した。
問39.59歳の男性、大酒家。飲酒後、突然上腹部痛が生じ、嘔吐、悪心も見られたため来院した。痛みは背部から左肩まで放散する。体温37.8
℃、赤血球450万個/μL、白血球24000個/μL。血液生化学的所見:Ca 6.5
mg/dL,アミラーゼ4500単位(正常360単位以下)、リパーゼ750単位(正常190単位以上)。
この疾患の治療として正しいと思われる処置の組合せはどれか。
a.消化酵素の補充
b.安静・絶食
c.ブプレノルフィンの投与
d.5-HT2受容体遮断薬の投与
問40.45歳の主婦、夫と2人暮らし。3年前に慢性腎炎と診断され入院したが、その後放置していた。4日前からかぜ気味で微熱があり、昨日から四肢と顔面の浮腫が出て来たため来院した。現在入院後2日目である。自覚症状は、四肢と顔面の腫れぼったさだけである。T=37.5℃、P=78/分、BP=160/90
mmHg、検査データは、血液総蛋白値 4.3 g/dl、血清アルブミン値 2.3
g/dl、尿蛋白 4.0 g/日である。入院時より食事療法(蛋白質 80
g/日、食塩 3〜5
g/日)が開始され、安静度は、洗面所とトイレのみ「歩行可」である。3日後に腎生検が予定されている。また、本日より、プレドニゾロン(40
mg/日)とワルファリン 3
mg/日の内服が開始された。この患者で注意すべきことは何か。
a.皮膚・粘膜の清潔に注意する。
b.血糖値や血圧に注意する。
c.便の潜血反応や胸部X線撮影の結果に注意する。
d.出血や皮膚壊死に注意する。
問41.M.H. は、55歳、体重70 kg
の男性であり、心窩部痛を訴え外来で診療所を訪れた。さしこみ痛を訴えており、その痛みは2週間ごとに現れ、2週間持続した。受診に訪れたときは、しばらく症状が消えていた時期であった。痛みのため、しばしば夜中に目覚め、冷蔵庫にあるものを食べた。通常、食事をした後は、痛みも静まり眠りについた。
M.H.
には、重篤な喘息と不整脈の既往歴がある。薬物療法として、プロカインアミド(1,000
mg)を、6時間ごと、テオフィリン(600
mg)を、1日2回、頭痛がする時は、アスピリンを服用している。
M.H.は、薬の服用を忘れることがあるが、思い出した時にいつでも服用している。彼の喫煙歴は、1日10本程度、また、1日10杯のコーヒーを飲んでいる。夜には、夕食前に2杯のマティーニを、夕食後には、シェリー酒を飲んでいる。定期健康診断の結果は、正常範囲内である。
臨床検査所見:
ヘモグロビンが 15
g/dL(正常値:13〜16)、ヘマトクリット値が48%(正常値:38〜52)、赤血球数が、4.5×106
/ ml(正常値:4.3〜5.8×106)、血清クレアチニン値が 2.5
mg/dL(正常値:0.7〜1.4)。
テオフィリンの血中濃度は、5
μg/ml(正常値:10〜20)、プロカインアミドの血中濃度は、4
μg/ml(正常値:4〜10)であった。
内視鏡検査で、0.5
cm程度の潰瘍が十二指腸で確認された。 培養・生検テストの結果、M.H.は、十二指腸潰瘍と診断された。
この患者の治療および服薬指導に関わる事について、簡潔に記述せよ。(マークシート用紙の裏に記載すること)
※この問題の解答は、以下のURL に掲載する予定です。
http://wwwyaku.meijo-u.ac.jp/chem_pharm/mhiramt/EText/Pharmacol/AppTherap.html
※再試験は、この問題の範囲から行いますが、マークシートにはしない予定ですので、内容まで理解して良く勉強をしておいて下さい。