1元配置分散分析法(1-way Factorial ANOVA)
使用条件:1.各群の分散が不均一でないこと.
2.データが正規分布しているとみなすことができること.
(各群のデータが離散値(とびとびの値をとることが分かっている)場合は,始めから
ノンパラメトリック検定である,Kruskal-Wallis
検定を用いる)
<例題>
「ある3種類の薬物をラットに投与して,効果を比較したところ,以下のデータが得られた.これら薬物によって対照群,およびそれぞれの薬物の薬理効果に差があるかどうかを検定したい.(なお,ラット1匹に対して,薬物は1回しか投与しないものとする)」
実験データを入力する
- 「ファイル」から「新規」を選択する

- 入力列の「タイプ」から,「カテゴリー」を選択する.ここは,x軸に相当するので,群の名前など,分類データを入力するときに「カテゴリー」を選択する.
- 「クラス」が「連続変数 C」から「名義変数
N」に変わっていることを確認する.

- 「カテゴリー」の選択画面が現れるので,「新規」ボタンをクリックする.

- 「カテゴリー名:」のところに,"薬物処置群"
など,分類データ名を入力する.
- 次に,「群名:」のところに,それぞれの "薬物処置群"
の名前を入力し,「追加」ボタンをクリックする.

- すべての群の名前の登録(必ず,追加ボタンをクリックし,枠内に群の名前が登録されていることを確認すること)し,最後に「終了」ボタンをクリックする.
- 名前を替えたい時は,替えたい名前をハイライトさせ,群名を再入力し,「交換」ボタンをクリックする.

- 2重線の下のデータ入力ウインドウにカーソルを持っていき,クリックする.最初に登録した群名が,"1"
に対応し,次の群名が,"2"
・・・に対応している.従って,ここでは,群名を入力するのではなく,"1"
とか "2" とか,対応する群名の数字を入力する.

- すべての群名の入力が終わったら,上部の「入力列」のところの名前を,分かりやすい名前,ここでは,「カテゴリー名」と同じ,"薬物処置群"
と入力する.

- 同様に,測定値を「列2」に入力する.測定値は,実数なので,「タイプ」は,初期設定のまま,また,「クラス」も「連続変数
C」となっていることを確認する.データを入力し始めると,自動的に新たな入力列が作成される.

- 先程と同様に,「列2」のところを,ここでは,"測定値"
と入力しておく.

- データの入力が終了したら,画面右側の「変数一覧」画面に,先程入力した
"薬物処置群" と "測定値"
が表示されていることを確認する.それぞれの右側にある「N」と「C」は,これらデータが,それぞれ,名義変数と連続変数であることを示している.

- 上部メニューバーの「解析」から,「新規ビューシート」を選択する.「!初心者の方へ」の下にある分析方法を選択すると,それぞれの検定方法を行うためのテンプレートに従い,簡単に統計処理を行うことができる.
- ここでは,「新規ビューシート」を選択し,個々に統計処理をする方法を説明する.

- 「新規ビューシート」が表示されると,先程の「変数一覧」画面のボタンの名前(「表示」,「コンパクト」,「イクスパンド」)が,「選択」,「解除」,「分割」に変わる.
- ここで,入力したデータである,"薬物処置群" と "測定値"
をハイライトさせ,「選択」ボタンをクリックする.この選択された,「名義変数」と「連続変数」に対して,統計処理を行うことになる.

- 次に,「新規ビューシート」左側の統計メニューから,分散分析を選択する.この時,右向きの三角が出ているときは,その下にさらにサブメニューがあることを示しているので,この三角マークをクリックする.

- 三角のマークが下向きに変わり,下に「分散分析表,基本統計量,交互作用棒グラフ,交互作用折れ線グラフ」というサブメニューが現れるので,必要なものをハイライトさせる.ここでは,すべてを選択している.

- 統計メニューの上部に,「解析の実行」ボタンがあるので,これをクリックする.

- 分散分析の時の実験配置,分散分析後に,post hoc
テストを行うか,また,エラーバーには,どのような数字を表示させるかなどを選択するメニューが現れる.
- 実験配置:は,「要因」のまま,post hoc
テストは,ここでは,「Bonferroni/Dunn」テストのみを選択し,エラーバーには,1標準偏差値を示すように設定してある.
- 最後に,右下の「OK」ボタンをクリックする.

- 先程指定した統計実行の結果が表示される.ここでは,分散分析表および,基本統計量が表示されている.

- 交互作用棒グラフと1標準偏差値が表示されている.

- 交互作用折れ線グラフと1標準偏差値が表示されている.

- 「Bonferroni/Dunn」の方法を用いて,多重比較した結果が示されている.ここでは,対照群とC群の間のp値が
0.0029
となり,5%の有意水準で有意差がついている.このときのp値の判断基準は,0.05/6個の組み合わせ=0.0083 で判断されている.

- 統計処理が終わったら,「ファイル」から保存を選択し,「新規ビューシート」を所定の場所にデータを保存する.ここではファイル名を
"1-way ANOVA"としている.
- 「ビューシート」の時は,ファイル名のあとに,「.svv」,「データシート」の時は,ファイル名のあとに,「.svd」と自動的に入力される(この画面上では,見えない).

