1) 熱帯植物から生理活性物質(抗ウイルス、抗菌活性、抗癌活性物質)の検索
・マメ科エリスリナ属植物は熱帯、亜熱帯地方の病気の治療、予防に使用されてきた。その植物はフェノール性化合物と特異な骨格のエリスリナ塩基(クラーレ様作用)を成分とする植物群である。このフェノール性化合物のうちイソフラボン類は抗菌活性、エストロゲン様活性、抗炎症等の作用が見られ、成分検索上興味あるテーマである。生理活性物質研究の化学者として、本植物成分より病原ウイルスの発育を阻止する物質(抗ウイルス活性:HIV(1型)、単純ヘルペス(1型)ウイルス、インフルエンザ(A)ウイルス)、抗菌活性さらに抗癌活性物質の検索を行ってきた。このうち、数種の化合物に弱いながらも抗ウイルス活性が見られたので、この研究を更にすすめ、より活性の強い物質を見い出し、その化合物の合成へと研究を進めたい。