「平成17年度 第1回名城大学薬学部OSCE」を実施

社会のニーズに応え、質の高い薬剤師を育成するため、6年制薬学教育では、これまでの体験型実務実習から参加型の長期実務実習を目指しています。参加型の長期実務実習では、免許をもたない学生が調剤業務や服薬指導を行うことになります。そのため、違法性の阻却と社会への説明責任を果たし、学生の質を保証することを目的として全国で共用試験を行うことが決まっています。共用試験には、「知識」について試験するCBTComputer-Based Testing:コンピュータ支援基礎学力試験)と「技能・態度」について試験するOSCE Objective Structured Clinical Examination:客観的臨床能力実技試験)の2つが課せられることが決まっています。

 名城大学薬学部では6年制薬学教育において実施される6ヶ月長期実務実習の実施資格を担保するOSCE共用試験を想定し、本学部医療・薬学科3年生(261名)を対象として「平成17年度 第1回名城大学薬学部OSCE」を平成1827日・8日に実施しました。また本OSCEは、対象学生の4年次の病院・薬局における4週間実務実習の資格を担保する実技試験としました。課題は、1.医療面接、2.情報提供、3.薬剤の調製(散剤)、4.薬剤の調製(水剤)の4項目とし、個々の学生は、課題ごとの評価項目にしたがって愛知県薬剤師会の病院・調剤薬局の現役薬剤師および名城大学薬学部の教員によって客観的評価を受けました。

 当日は、日本薬学会薬学教育改革大学人会議のOSCEトライアル委員や全国の薬系大学教員が見学に来られ、多数の現役薬剤師、本学部の全教員およびOSCE進行の補助役としての大学院が参加しました。また医療面接、情報提供の課題における模擬患者として事前トレーニングを受けた1年生も参加した大規模な盛事でありましたが、全プログラムは円滑に進行し成功裡に終了しました。

 今回のOSCEでは、260名あまりの学生を一度に実施できたことが実証されたこと、名城大学薬学部の全教員が本プログラムに取り組んだこと、1年生を模擬患者としての育成したことにより1年生が模擬患者教育から患者を理解することができたなど、非常に意義深いものでありました。今後は、近隣の薬系大学、日本薬剤師会、日本病院薬剤師会などと連携を深め、中部地区の共用試験OSCEモデルを確立していきたいと考えております。

課題の医療面接・情報提供を行っている場面    課題の薬剤の調製(散剤・水剤)を行っている場面

    

OSCE開始直前の受験学生の様子