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薬学講座

「自ら学び自ら考える学習から導出させる科学的思考力の獲得を目指して」
-放射線を理解する実験を題材としてー(2016年7月9日、7月16日)

名城大学薬学講座の報告

東日本大震災からほぼ5年が経つが原発事故の重い後遺症が依然として社会に大きな影を落としている。大震災は、科学や学問に対して、子供たちに深刻な科学不信をもたらしている。

「科学なしでは解けないが、科学だけでは解けない問題が増えた」という見方も生まれている。震災以降の社会には、問題解決型の科学を必要とし、科学の神髄に触れることで考える力を養うことの重要性がますます高まっている。本講座の受講で高校生徒が放射線に関する知識を取得し、原発事故後の社会に正しく向き合っていける理科的素養を涵養し、放射能・放射線に対して認識を深め、放射能・放射線に関わる環境問題や健康被害などに対してよく理解し的確な判断力を培えるようにすることを目標とする。

本講座は、東邦高校(名古屋市)と名城大学が連携し東邦高校の1年生30名を対象として平成28年7月2日間にわたって実施したものです。

実験の内容

日時 7月9日(土)9:00~12:40
内容 講義
場所 東邦高校
担当者 武田・高橋
詳細 本講座の主旨説明をしたのち、事前学習として、現在の放射線に関するイメージを自由記述形式のアンケートをとる。ついで、
(1)放射線と日常生活のかかわり
(2)放射能、放射線の関係についてを中心に基礎講義をする。その後、校内の放射線量をGMサーベイメータで測定する。
日時 7月16日(土)9:30~16:00
内容 講義&実験
場所 名城大学薬学部
担当者 武田・高橋・植田
詳細 (1)放射線の性質と測定方法
(2)霧箱の原理及び作成方法
の2点について講義解説する。その後、霧箱を使って放射線の飛跡を自分の目で見てみる。大型霧箱を使っての自然放射線による飛跡の観察を行う。
観察結果をまとめ、放射線の種類による飛跡の違いについて考察させ発表させる。
また、放射線の測定及び測定値と距離の関係、測定値と遮蔽物との関係について実習を通して学ぶ。

実験のようす

事前学習(7月9日)

基礎講座では、放射線に関する正しい認識を持ってもらえるように、わかりやすく説明しました。

基礎講座の後、初めて扱う放射線検出器“GMサーベイメータ”で、校舎の中の色々なところの放射線を測定しました。

昆布、温泉の湯の花など、天然物で作ったサンプルの放射線を測定しました。

事後学習(7月16日)

放射線・放射能の理解のために、放射線の性質、人体への影響など、更に詳しく基礎知識を学びます。

霧箱内の放射線の飛跡を観察することで、放射線の性質を可視化して、学びました。

昼食後、昆布、温泉の湯の花など、天然物で作ったサンプルの放射線を測定しました。測定値と距離の関係、測定値と遮蔽物との関係について実験しているところです。

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