平成14年度 薬理学 II 定期試験問題


問1〜40までの設問の解答は、以下の10個の選択肢の中から選ぶこと。
      a b c d
    1.正 正 正 正
    2.正 正 正 誤
    3.正 正 誤 正
    4.正 誤 正 正
    5.正 誤 誤 正
    6.誤 正 正 正
    7.誤 正 正 誤
    8.誤 正 誤 正
    9.誤 誤 正 誤
    0.誤 誤 誤 誤

問1.神経細胞とシナプスの性質に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a.神経の膜電位は、細胞内が細胞外に比べて負となり、通常-60 mV〜-80 mV程度である。
 b.興奮がシナプスを通るとき、シナプス遅延とよばれる時間の遅れを生じる。
 c.脱分極興奮が神経終末に達すると、受容体とカップリングしたCa 2+チャネルが開き、Ca 2+イオンが流入すると、神経伝達物質が遊離される。
 d.シナプス前膜と後膜との間の情報伝達は、哺乳動物では一般に化学的に行われている。

問2.神経系の性質と化学伝達に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a.抑制性シナプス後電位(IPSP)を生じさせる神経では、Na+イオンの透過性が亢進して脱分極が起こる。
 b.交感神経節前線維の終末からは、アセチルコリンが分泌される。
 c.副交感神経節後線維の終末からは、ノルエピネフリンが分泌される。
 d.運動神経の終末からは、アセチルコリンが分泌される。

問3.自律神経系の特徴に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a.自律神経は、拮抗的二重支配を受けている。
 b.自律神経は緊張支配を受けているので、その受容体遮断薬により薬の作用が現れる。
 c.交感神経にある自律神経節は、副交感神経と比べて効果器の近くに位置する。
 d.交感神経は、副交感神経に比べ1本の節前線維が多くの節後線維を支配している。

問4.自律神経系伝達物質あるいはその前駆物質の取込み機構と、これに対する薬物単回投与による作用に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a.レセルピンは、アドレナリン作動性神経末端のシナプス小胞に存在するアミン取込み機構を阻害するため、ノルエピネフリンの枯渇を起こす。
 b.塩酸クロニジンは、アドレナリン作動性神経末端細胞膜上のα2受容体に作用し、ノルエピネフリンを遊離させる。
 c.ボツリヌス毒素は、コリン作動性神経末端からのアセチルコリンの遊離を阻害する。
 d.へミコリニウムは、コリン作動性神経末端細胞膜に存在するコリン取込み機構を阻害するためアセチルコリンの生合成を阻害する。

問5.アドレナリン作動性神経に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a.メタンフェタミンは血液−脳関門を通過するが、エピネフリンは通過しない。
 b.チラミンは交感神経節を刺激してノルエピネフリンを遊離させる。
 c.ノルエピネフリンはチラミンから生合成され、刺激に応じて遊離される。
 d.遊離されたノルエピネフリンの一部は、交感神経終末部に再取り込みされる。

問6.アドレナリン作動薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a.アドレナリン作動薬によりα1受容体を刺激すると、血管拡張作用が現れる。
 b.β2受容体を刺激する薬は、心収縮力を増大させる作用を持つ。
 c.ノルエピネフリンは、β2受容体刺激作用は弱いので、血圧反転は起こさない。
 d.β1受容体の刺激薬は、気管支平滑筋を収縮させる。

問7.アドレナリン受容体遮断薬に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a.α1受容体を遮断すると、前立腺や尿道平滑筋が拡張し、尿道抵抗が減少する。
 b.β1受容体を遮断すると、心拍数、心拍出量が増大する。
 c.β2受容体を遮断すると、気管支、血管拡張作用が見られる。
 d.α2受容体遮断薬は、神経終末部からのノルエピネフリンの遊離を促進する。

問8.アドレナリン受容体作動薬及び遮断薬に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a.アテノロールはβ1受容体に特異性が高いが、気管支ぜん息をもつ循環器疾患患者の治療には慎重に用いる。
 b.塩酸タムスロシンは、シナプス前膜β1受容体を特異的に遮断することによって、心機能抑制作用を示す.
 c.ナファゾリンは、β1受容体を遮断することにより皮膚や粘膜の血管を収縮させる。
 d.サルブタモールは、β2受容体を刺激することにより気管支、子宮や血管平滑筋を弛緩させる。

問9.アドレナリン受容体作動薬及び遮断薬に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a.ドブタミンは、β1受容体を遮断することにより心不全患者の心機能を改善する。
 b.ブナゾシンは、α2受容体を刺激することにより末梢血管を拡張させて血圧を下げる。
 c.内因性交感神経興奮作用(ISA)を持つピンドロールは、β受容体刺激薬や内因性カテコールアミンが存在しないような状態では、β受容体を刺激する。
 d.塩酸ラベタロールは、α、β受容体遮断薬であり、気管支ぜん息の治療に用いられる。

問10.コリン作動性神経に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a.ムスカリン受容体の M1 タイプは、主に分泌腺、平滑筋に存在する。
 b.ムスカリン受容体の M2 タイプは、主に心臓に存在する。
 c.アセチルコリンはアセチルコリンエステラーゼにより生合成され、遊離されたアセチルコリンの一部は、副交感神経終末部に再取り込みされる。
 d.アセチルコリンは中枢神経系で神経伝達物質として働いているが、末梢投与しても中枢作用は認めがたい。

問11.コリン作動薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a.アセチルコリンはムスカリン様作用は強いがニコチン様作用は弱い。
 b.アセチルコリンを静脈内投与すると、血圧が下降する。
 c.アトロピンを投与後、大量のアセチルコリンを投与すると、血圧が下降する。
 d.コリン作動薬の共通の副作用には、視力低下、不整脈、悪心・嘔吐、ぜん息発作、低血圧、尿閉、流涎、発汗などがある。

問12.コリン作動薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a.塩酸ピロカルピンの主な薬理作用は、眼内圧低下、近視性調節麻痺、縮瞳である。
 b.ニコチンは、NM受容体に作用して、はじめ四肢筋や呼吸筋を興奮させ、後に麻痺させる。
 c.塩化ベタネコールは、ムスカリン様作用はあるが、ニコチン様作用はない。
 d.塩化カルバコールは、真性及び偽性コリンエステラーゼのいずれによっても分解されない。

問13.コリンエステラーゼに関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a.臭化ジスチグミンは、シュレム管を圧迫閉塞させるので、緑内障がある患者には用いられない。
 b.塩化エドロホニウムは、可逆的コリンエステラーゼ阻害薬であるが、その作用は弱く効力の持続も短いので、治療よりは重症筋無力症の診断に使用される。
 c.塩化ベタネコールは、コリンエステラーゼの作用を受けやすく、治療薬として用いられない。
 d.ヨウ化プラリドキシム(PAM)は、コリンエステラーゼ賦活作用を有し、有機リン化合物中毒の治療に用いられる。

問14.抗コリン薬に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a.臭化メペンゾラートは、鎮痙作用があるので、過敏大腸症の治療に使用される。
 b.塩酸ピレンゼピンは、M1受容体を選択的に遮断して胃酸分泌を抑制する。
 c.塩酸プロピベリンは、膀胱平滑筋を弛緩させるため、神経性頻尿に使用される。
 d.臭化イプラトロピウムは、気管支ぜん息時にみられる迷走神経反射性の気管支収縮を緩解させる目的で、吸入により使用される。

問15.麻酔したイヌの血圧測定実験に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a.メシル酸フェントラミンを前もって静脈内注射したのち塩酸エピネフリンを静脈内注射すると、血圧は下降することがある。これはメシル酸フェントラミンがアドレナリンα1受容体と不可逆的に結合したためである。
 b.塩化アセチルコリンを静脈内注射すると、血圧は一過性に下降する。この現象は、アセチルコリンが血管平滑筋のムスカリンM2受容体を刺激したためである。
 c.塩酸イソプレナリンを静脈内注射すると血圧は一過性に上昇する。この作用は、イソプレナリンが心筋のアドレナリンβ1受容体を刺激したためである。
 d.硫酸アトロピンを静脈内注射したのち塩酸イソプレナリンを投与すると、血圧が上昇することがある。

問16.次の薬物名、主な適応及び副作用の正誤について、正しい組合せはどれか。
    薬物名         適 応           副作用
 a.硝酸ナファゾリン    目の充血・鼻粘膜の充血  適用部位の一過性刺激痛
 b.塩酸プロカテロール   気管支ぜん息       ショック、アナフィラキシー様症状
 c.塩酸シクロペントラート  緑内障         前立腺肥大患者の排尿困難
 d.臭化プロパンテリン   消化性潰瘍、幽門     眠気、口渇、便秘、心悸亢進、
               痙攣等における疼痛    排尿障害

問17.眼に対する薬物の作用に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a.硫酸アトロピンは、瞳孔散大筋の収縮を抑制する。
 b.塩酸ピロカルピンは、毛様体筋の収縮し、シュレム管を開口させる。
 c.塩酸フェニレフリンは、瞳孔括約筋の収縮を促進する。
 d.トロピカミドは、毛様体筋の収縮を抑制し、遠視性調節麻痺を起こす。

問18.次の臨床例に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
  意識不明の女性が救急外来に搬入された。下痢、発汗、唾液分泌過剰、筋攣縮が観察され、瞳孔は高度に縮瞳している。農業に従事しており、家人によれば最近、うつ状態で、自殺をほのめかしていたと言う.臨床生化学検査では特徴的な所見が見られた.
 a.症状は、アドレナリン受容体の刺激過剰状態と考えられる。
 b.特徴的な検査所見とは血漿コリンエステラーゼ値の低下である。
 c.治療薬の選択はアトロピンやPAM(プラリドキシムヨウ化メチル)である。
 d.症状の原因は有機リン系農薬(殺虫剤)の急性中毒である可能性が高い。

問19.自律神経節に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a.自律神経節にはムスカリン性アセチルコリン受容体がある。
 b.心臓は交感神経が優位なので、節遮断薬により心拍数が減少する。
 c.カンシル酸トリメタファンは、全身麻酔時に低血圧維持の目的で用いられる。
 d.副腎髄質では交感神経節前線維から放出されたアセチルコリンが、エピネフリン、ノルエピネフリンの放出を抑制する。

問20.細胞膜受容体に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a.アドレナリンβ受容体を活性化すると促進性GTP結合タンパク質(Gs)を介してアデニル酸シクラーゼを活性化する。
 b.M2受容体を刺激すると、Giタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼ活性が低下しcAMP 産生が抑制する。
 c.α1受容体を活性化するとGqタンパクを介してホスホリパーゼCが活性化され、産生されたイノシトール三リン酸が細胞外からのCa2+の流入を抑制する。
 d.アセチルコリンのニコチン受容体は、細胞膜4〜5回貫通型受容体であり、Na+チャネルを内蔵している。

問21.細胞膜受容体と薬物に関する次の記述の正誤について正しい組合せはどれか。
 a.アドレナリンβ2受容体は細胞膜7回貫通型の受容体であり、Gタンパク質と共役している。
 b.アドレナリンα1受容体上において、ノルエピネフリンとイソプレナリンは拮抗関係にある。
 c.ヒスタミンH2受容体がアゴニストによって刺激されると、細胞内のイノシトール三リン酸(IP3)量が増加する。
 d.心臓洞房結節の細胞膜にはアドレナリンβ1受容体が存在しており、交感神経により支配されている。

問22.塩化ツボクラリンの作用に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a.神経筋接合部のNN受容体を競合的に遮断する。
 b.副交感神経と平滑筋との間のシナプス伝達を特異的に遮断する。
 c.ストレプトマイシンとの併用により、筋弛緩作用が増強する。
 d.コリンエステラーゼ阻害薬との併用により筋弛緩作用が増強する。

問23.筋弛緩薬に関する次の記述のうち正しいものの組合せはどれか。
 a.塩化スキサメトニウムは、中枢性筋弛緩薬である。
 b.塩化デカメトニウムの筋弛緩作用は、ネオスチグミンで拮抗される。
 c.臭化パンクロニウムは、ステロイド骨格を持つ筋弛緩薬である。
 d.テトロドトキシンは、神経終末でのアセチルコリン合成を阻止し、呼吸麻痺を起こさせる。

問24.運動機能障害に適用される薬物の作用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a.γ−運動神経系抑制を示すバクロフェンは、脊髄のGABAB受容体作動薬で、単及び多シナプス反射を抑制する。
 b.骨格筋の緊張調節は、α運動神経と、β運動神経によって支配されている。
 c.メフェネシンは、脊髄の単シナプス反射を抑制して筋弛緩作用を示す。
 d.ダントロレンナトリウムは骨格筋の筋小胞体からのCa2+放出を抑制する。全身麻酔時に見られる悪性高熱症の筋硬直に適用される。

問25.局所麻酔薬の作用に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a.痛覚、温感、触覚の順に感覚が失われる。
 b.知覚神経のNaチャネルの阻害により神経伝導を抑制する。
 c.運動神経は抑制されない。
 d.炎症部位など、神経周辺のpHが酸性に偏っている組織では麻酔作用が弱く現れる。

問26.局所麻酔薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a.ジブカインによる局所麻酔作用を持続させる目的で、塩酸エピネフリンのような血管収縮薬が併用される。
 b.塩酸プロカインは組織浸透性が低いので、浸潤麻酔には不適当である。
 c.血中に移行したリドカインは、血清及び肝のエステラーゼによっては分解されない。
 d.プロカインはリドカインと比較し作用時間が長い。

問27.血管に関する次の記述について、正しいものの組合せはどれか。
 a.皮膚及び粘膜に分布する血管の平滑筋は、エピネフリンにより収縮する。
 b.冠血管は、プロプラノロールにより収縮する。
 c.血管平滑筋の細胞膜には、ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬で遮断される電位依存性カルシルムチャネルが存在する。
 d.内皮細胞が産生する一酸化窒素(NO)は、血管平滑筋細胞内のサイクリックGMP含量を増加させる。

問28.ヒスタミン受容体に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a.ヒスタミンによる気管支、腸管などの収縮はH2受容体を介する。
 b.ヒスタミンは、H2受容体を刺激して胃酸分泌を促進する。
 c.ファモチジンは、H1受容体を遮断する。
 d.H1受容体遮断薬は、ねむけなどの中枢神経抑制作用を起こすことがある。

問29.気道に作用する薬物に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a.イプラトロピウムは、ムスカリン受容体を遮断して気道拡張を起こす。
 b.テオフィリンは、ホスホジエステラーゼを阻害して気道を拡張させる。
 c.クロモグリク酸ナトリウムは、ヒスタミンH1受容体を遮断して気道を拡張させる。
 d.マレイン酸クロルフェニラミンは、ヒスタミンH1受容体を遮断してアレルギー症状を緩解する。

問30.オータコイドに関連する次の対応の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a.セロトニン          --- 血管、子宮平滑筋収縮作用
 b.ブラジキニン         --- 血圧下降作用
 c.顆粒球コロニー刺激因子    --- 好中球分化増殖促進作用
 d.プロスタグランジンE1     --- 血管収縮作用

問31.次の内因性物質の生合成反応とその反応に関与する酵素の正しい組合せはどれか。
 

a

ヒスチジンからヒスタミン

L- 芳香族アミノ酸脱炭酸酵素

b

ATPから3',5'- サイクリックAMP(cAMP)

ホスホジエステラーゼ

c

アンギオテンシンIからアンギオテンシンII

アンギオテンシン分解酵素

d

アラキドン酸からプロスタグランジンG2

シクロオキシゲナーゼ



問32.抗アレルギー薬に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a.プロピオン酸ベクロメタゾンやプロピオン酸フルチカゾンの鼻腔内噴霧は、アレルギー性鼻炎に有効である。
 b.プランルカスト水和物は、ロイコトリエン受容体を遮断することによって、気管支ぜん息に著効を示す。
 c.トシル酸スプラタストは、インターロイキン-1と腫瘍壊死因子 (TNF) の産生を強力に阻害するので、アナフィラキシーショックに用いられる。
 d.塩酸オザグレルは、トロンボキサン合成酵素を阻害することにより、気道過敏性を抑制する。

問33.薬物―薬理作用―適応の対応のうち、正しいものの組合せはどれか。
 

薬物

薬理作用

適応

ロキソプロフェンNa

シクロオキシゲナーゼ阻害

消炎・鎮痛

塩酸グラニセトロン

ドパミンD2受容体遮断

抗悪性腫瘍薬による悪心・嘔吐

アルプロスタジルアルファデクス

PGE1様作用

皮膚潰瘍

塩酸エピナスチン

ケミカルメディアーター遊離抑制

アレルギー性鼻炎



問34.次の薬物 - 薬理作用 - 適応の対応のうち、正しいものの組合せはどれか。
 

薬物

薬理作用

適応

a

クエン酸シルデナフィル

ホスホジエステラーゼ V 阻害

平滑筋収縮

b

ロサルタンカリウム

アンギオテンシン II受容体遮断

高血圧症

c

ベラプロストナトリウム

PGI2様作用

慢性動脈閉塞症

d

セラトロダスト

トロンボキサンA2受容体刺激

気管支ぜん息



問35.次の薬物に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a ジルチアゼムは、ジヒドロピリジン系Ca2+チャネル遮断薬であり、作用持続は長い。
 b カプトプリルは、アンギオテンシン変換酵素阻害作用をもち、副作用として咳漱を誘発しやすい。
 c 塩酸プラゾシンは、アドレナリンα1受容体の選択的遮断薬であり、初回投与時には血圧下降は起こらない。
 d カンデサルタンシレキセチルは、アンギオテンシンII受容体遮断薬であり、アンギオテンシンによる血管収縮やアルドステロン分泌を抑制する。

問36.下記の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a.非ステロイド性抗炎症薬の作用は発熱中枢のセットポイントを下降させるため、正常体温も緩和に下降させる。
 b.プロスタグランジンE2 は発熱や疼痛などの生体防衛反応を亢進する。
 c.イブプロフェンの抗炎症作用にはプロスタグランジンの生合成阻害作用が関係する。
 d.エトドラクは、COX-1 に選択性が高く、消化器系への副作用が少ない。

問37.炎症及び抗炎症薬に関する記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
 a.炎症部位で遊離されるインターロイキン-1(IL-1)や腫瘍壊死因子(TNF)は、全身的発熱を引き起こす。
 b.エピリゾールは、シクロオキシゲナーゼの阻害により鎮痛や抗炎症作用を示す。
 c.構成型シクロオキシゲナーゼの阻害により、胃粘膜障害や腎機能障害が起こる。
 d.アスピリンは、構成・誘導型両方のシクロオキシゲナーゼをアセチル化して不可逆的に阻害する。

問38.サイトカインに関する次の記述の正誤について正しい組合せはどれか。
 a.インターフェロンにはα型、β型及びγ型があり、いずれも抗ウイルス活性を示す。
 b.インターロイキン(IL-2)は、T細胞から産生され、T細胞の分化、増殖に関与する。
 c.感染症の発熱には内因性の発熱物質として生体内で産生される腫瘍壊死因子やインターロイキン-1(IL-1)などが関与している。
 d.腫瘍壊死因子(TNF)は、好酸球、好中球、マクロファージなどを活性化する。

問39.ステロイド系抗炎症薬に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a.糖質コルチコイドは、細胞膜上の受容体と結合して効果を発揮する。
 b.ホスホリパーゼなどの酵素を抑制し、サイトカイン類の産生を亢進する。
 c.連用により、感染症の誘発・増悪、糖尿病、骨折、消化性潰瘍などの副作用を生じる。
 d.副作用を生じたら、速やかに薬物の投与を中止する。

問40.痛風治療薬に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
 a.プリン代謝の異常により、血中尿酸濃度が高くなり、何らかの原因で関節に尿酸が析出し、炎症を誘発し、急性関節炎、痛風結節、さらに腎不全を起こす疾患である。
 b.プロベネシドが、抗炎症作用により、痛風の発作を特異的に抑制する。
 c.アルプレノロールは、キサンチンオキシダーゼを阻害し、尿酸の生合成を抑制する。
 d.インドメタシンなどの抗炎症薬が用いられる。

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 下記の問について、簡潔に記述せよ。

問41.降圧薬を作用機序により分類し、何故、降圧作用が現れるのか説明せよ。

問42.炎症の経過について説明せよ。


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※再試験は、この問題の範囲から行いますが、マークシートにはしない予定ですので、内容まで理解して良く勉強をしておいて下さい。