問1,2.クロルプロマジンの 5 mg/kg
をマウス60匹に皮下投与したい.マウスに 0.1 ml/10 g
の割合で投与するとしたら,クロルプロマジン〔問1〕mg を〔問2〕ml
の生理食塩水に溶かしたらよいか,下記の数字より番号で選べ.なお,マウス60匹の平均体重を25
g とし,実際に実験に使用出来る量を解答として求めること.
1.1.25 2.2.5 3.5.0 4.7.5 5.10.0
6.12.5 7.15.0 8.17.5 9.20.0 10.22.5
問3.エーテル麻酔による麻酔深度第III期のマウスに見られる代表的な症状は,次の中にいくつあるか.
1.無呼吸 2.脊髄反射消失 3.痛覚消失
4.気管支分泌抑制 5.筋弛緩 6.嘔吐
問4.実習で用いた用量のジアゼパム(2
mg/kg)をマウスに投与した時に発現しないと考えられる作用は,次のうちどれか.
1.筋弛緩作用 2.抗痙攣作用 3.静穏作用
4.馴化作用 5.抗不安作用 6.睡眠作用
問5.γ-アミノ酪酸受容体に作用してγ-アミノ酪酸の作用を抑制すると,どのような痙攣が主に発現するか.
1.強直性 2.反射性 3.間代性
4.てんかん性 5.振戦
問6.γ-アミノ酪酸受容体に作用してγ-アミノ酪酸の作用を増強する薬物はどれか.
1.ストリキニーネ 2.エーテル 3.タクリン
4.ピクロトキシン 5.ペントバルビタール
問7. 脊髄にあるグリシン受容体を活性化すると主に生じる作用はどれか.
1.興奮収縮連関阻害 2.シナプス伝達促進
3.シナプス伝達抑制 4.アセチルコリン分解阻害
5.強直性痙攣
問8.スコポラミンによる作用と考えられない作用は,次のうちどれか.
1.消化管緊張の低下 2.気道の粘液分泌亢進
3.散瞳 4.学習・記憶障害 5.動揺病の予防
問9.次の薬物うち,鎮痛作用における ED50 値(mmol/kg)
の大きいものはどれと考えられるか.
1.アスピリン 2.ペンタゾシン 3.モルヒネ
4.スルピリン 5.コデイン 6.レボメプロマジン
問10.モルヒネにないがアセチルサリチル酸にはある作用は次の中にいくつあるか.
1.鎮痛作用 2.抗炎症作用 3.抗リウマチ作用
4.腸管運動抑制 5.血小板凝集促進作用
問11.エピネフリンを添加しても局所麻酔作用が著明に増強されないと考えられるのは次のうちどれか.
1.プロカイン 2.ジブカイン 3.コカイン
4.リドカイン 5.すべて同じ
問12.d-ツボクラリンの作用を増強しないと考えられる薬物の組合せはどれか.
a.アセチルコリン b.ヘミコリニウム c.アトロピン
d.カナマイシン e.ニトラゼパム
1.(a, b) 2.(a, c) 3.(a, d) 4.(a, e)
5.(b, c) 6.(b, d) 7.(b, e) 8.(c, d)
9.(c, e) 0.(d, e)
問13.摘出した心臓に適用すると拍動数を増加させる薬物の組合せはどれか.
a.ノルエピネフリン b.ドパミン c.アセチルコリン
d.γ-アミノ酪酸 e.セロトニン
1.(a, b) 2.(a, c) 3.(a, d) 4.(a, e)
5.(b, c) 6.(b, d) 7.(b, e) 8.(c, d)
9.(c, e) 0.(d, e)
問14.エピネフリンにより平均血圧が上昇する際に心拍数が減少するが,次のどの処置をすると心拍数の変化のみを消失させることができるか.
1.フェントラミン前投与 2.プロプラノロール前投与
3.アトロピン前投与 4.迷走神経刺激
問15.プロカイン,ジブカイン,コカイン,リドカイン,テトラカインのうち,血漿中のエステラーゼで加水分解されない組合せはどれか.
a.プロカイン b.ジブカイン c.コカイン
d.リドカイン e.テトラカイン
1.(a, b) 2.(a, c) 3.(a, d) 4.(a, e)
5.(b, c) 6.(b, d) 7.(b, e) 8.(c, d)
9.(c, e) 0.(d, e)
問16.プロプラノロールは,どの受容体にどのように作用するのか.
1.α-受容体刺激 2.α-受容体遮断
3.β-受容体刺激 4.β-受容体遮断
5.ニコチン受容体刺激 6.ニコチン受容体遮断
7.ムスカリン受容体刺激 8.ムスカリン受容体遮断
問17.プロプラノロールの作用とは考えられないものの組合せはどれか.
a.抗不整脈作用 b.狭心症予防作用 c.降圧作用
d.気管支拡張作用 e.強心作用
1.(a, b) 2.(a, c) 3.(a, d) 4.(a, e)
5.(b, c) 6.(b, d) 7.(b, e) 8.(c, d)
9.(c, e) 0.(d, e)
問18.次の薬物の組合せで,相加作用が現れると思われる組合せはどれか.
a.モルヒネとコデイン(鎮痛,鎮咳作用)
b.フェノバルビタールとアミノピリン(鎮痛作用)
c.エーテルとハロタン(麻酔作用)
d.サフラジンとイミプラミン(中枢興奮作用)
e.エーテルとニトラゼパム(麻酔作用)
1.(a, b) 2.(a, c) 3.(a, d) 4.(a, e)
5.(b, c) 6.(b, d) 7.(b, e) 8.(c, d)
9.(c, e) 0.(d, e)
問19.次のうちクロルプロマジンによる薬理作用とは考えにくい作用の組合せはどれか.
a.体温降下作用 b.筋弛緩作用 c.抗痙攣作用
d.制吐作用 e.静穏作用
1.(a, b) 2.(a, c) 3.(a, d) 4.(a, e)
5.(b, c) 6.(b, d) 7.(b, e) 8.(c, d)
9.(c, e) 0.(d, e)
問20.タクリンは次のうちどの作用を示すか.
1.スコポラミン分解促進 2.スコポラミン分解阻害 3.アセチルコリン分解促進 4.アセチルコリン分解阻害
5.ムスカリン受容体結合阻害 6.ニコチン受容体結合阻害
問21.ペンタゾシンが鎮痛作用を示すための主な作用点と考えられるのはどれか.
1.延髄巨大細胞網様核 2.中脳水道周囲灰白質
3.大脳皮質 4.脊髄後角 5.知覚神経末端
問22.向精神薬のスクリーニング法として知られているものの組合せはどれか.
a.オープンフィールド法 b.受動的回避学習法
c.Haffner 法 d.Irwin の多次元観察法
e.Tail flick 法
1.(a, b) 2.(a, c) 3.(a, d) 4.(a, e)
5.(b, c) 6.(b, d) 7.(b, e) 8.(c, d)
9.(c, e) 0.(d, e)
問23.イヌの循環系に対するアセチルコリンの作用についての記述である.〔 〕内に入る適切な語句の組合せを下欄から選べ.
低用量のアセチルコリンをイヌに静注すると,血圧が〔 a
〕するが,この作用は〔 b
〕で遮断される.一方,大量のアセチルコリンを投与すると血圧が〔 c
〕し,その作用は,〔 d 〕によって消失する.
a b c d
1.下降 ヘキサメトニウム 上昇 アトロピン
2.下降 アトロピン 上昇 ヘキサメトニウム
3.上昇 ヘキサメトニウム 下降 アトロピン
4.上昇 アトロピン 下降 ヘキサメトニウム
問24.次の薬物の中で薬物耐性を生じる可能性が少ない薬物の組合せはどれか.
a.コカイン b.フェノバルビタール c.ジアゼパム
d.モルヒネ e.クロルプロマジン
1.(a, b) 2.(a, c) 3.(a, d) 4.(a, e)
5.(b, c) 6.(b, d) 7.(b, e) 8.(c, d)
9.(c, e) 0.(d, e)
問25.KM-925
と言う新規化合物について薬効のスクリーニングを行い,以下の知見を得た.この化合物にはどのような薬理作用があると考えられるか.考えられることをマークシート用紙の裏に記述せよ.(1〜3までの結果から総合判断すること)
1.ステップダウン型の実験装置を用い,訓練試行 30分前に KM-925 を 5
mg/kg投与し,スコポラミンを訓練試行の直後に投与したところ,訓練試行
24時間後の保持試行において,スコポラミン単独投与群と比較し,ステップダウン潜時が有意に延長した.
2.熱板法により作用を検討したところ,ED50 が 0.5
mg/kgとなった.
3.酢酸writhing 法により作用を検討したところ,ED50 が 3.3
mg/kgとなった.