永松 正 助教授
プロフィール
昭和50年本学薬学研究科修士課程を修了する。糸球体腎炎とプロスタグランジンE1の研究で薬学博士を取得後1989年から1991年まで米国セントルイスにあるワシントン大学医学部分子生物・薬理学のDr.
Lefkowithの研究室へ留学する。この留学で研究の幅を広げ、また米国の文化を見聞した。現在の研究は腎炎の発症と治療薬の開発を目指した研究から発展して、糸球体(糸球体腎炎の糸球体)における凝集タンパクの処理機構とプロスタグランジン受容体からの情報伝達機構の関係について行っております。研究方法は薬理学的方法(阻害剤や活性化剤を使用する)・生化学的手法・分子生物学的手法・細胞生物学的手法を用いています。糖尿病性腎症の進展機構として糸球体と細胞外マトリックスの関係についても研究を広げつつあります。
担当講義について
われわれ人間はどのような仕組みで生きており、そして病気になるのだろうかとイメージしながら講義をしています。また病気になった時はどのような薬を使ってどのように治療するのだろうか。薬やホルモンは生体に対してどのような機序で作用を及ぼしているのだろうかと考えます。なんとか私の中にあるイメージを学生諸君に伝えたいと思っています。講義を試験のための講義として受けるのではなく、自分の疑問を持って知性を磨くために講義を受ければ楽しく講義を受けられると思います。それから、講義は当然ですが前の方の座席で聞くのが一番です。もしあなたが眠っていれば大事な個所では目を覚ましてあげます。スライドの文字もよく見えます。声もよく聞こえます。
愛読書
愛読書は細胞の生物学です。最近はグロバリゼーションの本や日本人の精神構造の本を読んでいます。レクサスとオリーブの木や菊と刀です。以前は安部公房に傾倒し、砂の女、箱男、燃えつきた地図、飢餓同盟等々、また三島由紀夫の仮面の告白、金閣寺、午後の曳航、青の時代もなかなかです。遠藤の海と毒薬、沈黙、留学生、夏目漱石のこころ、行人、それからもいいですね。この間読んだモリー先生の火曜日、金持父さんと貧乏父さん、罪と罰、月と六ペンス、老人と海、蠅の王様、夜間飛行など考えさせられます。激しいのでは血と骨、ハンニバル。古いところで人間の条件、不毛地帯、白い巨塔、しろばんばが印象に残ります。きりがないのでやめますが、学生時代にたくさんの本を読んで、未知の経験(体験)を楽しんで下さい。
趣味
山歩き、スキー、テニス、コンサートでα波を感じること、訪問した美術館の絵画の絵はがきを集めて楽しむ。テニスとスキーは体力・脚力の衰えとの戦いであります。ときどき心臓が不整脈を打っています。
一言
チャンスは走っている馬みたいなものです。馬と違うのはたてがみ(前髪)しかないところです。普段からまえがみをつかむように鍛練しておかなければ目の前にきたチャンスをつかむことはできません。