微生物学研究室の紹介
微生物学研究室について
本研究室は初代田中哲之助教授が着任された昭和29年(薬学部創立)に発足した名城大学薬学部では最も古い研究室であります。続いて杉原久義教授、そして現在は私と小森由美子准教授、打矢恵一准教授、6年生13名、5年生12名、研究員6名の体制でチームワークを大切に明るく、楽しくをモットーに教育、研究を行っております。現在の教員スタッフは名城大学薬学部の出身です。担当している講義は微生物学(二改)、免疫学(二改、打矢)、感染予防学(小森、打矢)、臨床微生物学(小森)、基礎薬学演習(二改、小森、打矢)、文献講読セミナー(二改、小森、打矢)、微生物学実習(二改、小森、打矢)その他5年生科目を分担しております。卒論は現在、5年生と6年生が狭い研究室でニアミスを繰り返しながら行っています。
研究について
本研究室は15年以上前から国立病院機構東名古屋病院の小川賢二臨床研究部長、名城大学特任教授と継続して共同研究、講義担当等の関係を築き、「臨床と基礎研究をつなぐ」・「治療・薬の開発につながる」研究を実践しています。
小森准教授は院内感染防止対策と一般健常人における薬剤耐性菌の疫学調査、蛇毒の生理活性物質の探索について研究を行っていますが、培養細胞を用いた実験は蛇毒研究のみならずアスペルギルス症研究に貢献しています。また、学内においては感染症対策委員会を立ち上げて、名城大学の新型インフルエンザ対策への参画および薬学部学生へのワクチン接種の啓蒙活動を精力的に行っています。
アスペルギルス属真菌感染症に関する研究は高齢化を迎え真菌(カビ)による感染症、特に、アスペルギルス症が増加しており、本疾患に罹患した時に喀血を引き起こす病原因子とその病原因子を阻害する因子を発見し、治療薬の開発を名古屋大学、企業と共同で研究をしています。なお、本研究の遂行にあたっては研究員の奧村欣由先生(松浦薬業株式会社)の貢献は多大であります。
非結核性抗酸菌症は我が国において、特に中高年の女性に多く発症し、感染経路が不明であり、治療に難渋している疾患であります。これらの解明と診断法の確立をする為に主に打矢准教授の指導により、遺伝子解析に基づく研究をしております。そして、これら2つの研究テーマにおいて、これまで優秀論文賞等の受賞者(8名)を輩出し、共同研究者の小川賢二先生が結核病学会の今村賞を受賞されたことは大きな喜びであります。さらに、打矢准教授はサルモネラの研究において、多剤耐性を示すサルモネラが検出され国内外を問わず問題となっていることから、その病原性を遺伝子レベルで解明することにより新たな治療法の確立を目指しています。
これまで田中哲之助先生、杉原久義先生と続いた伝統ある微生物学研究室をさらに発展させるべく、研究室が一つになって頑張ってまいります。