研究紹介
研究概要
製剤学とは、薬物の治療効果を最大限に高め、かつ副作用を最小限に抑えるため、患者さんに最適な投与方法や投与形態を提供する、薬のかたち(製剤)を設計する学問です。適切な薬物治療には、患者さんが治療に積極的に参加し、薬を正しく服用することが必要です。しかし、薬の服用しにくさ(例えば、1回の服用量が多い、1日の服用回数が多い、薬の味が悪いなど)は、患者さんの薬の服用意欲を低下させ、薬物治療の大きな障害となります。本研究室では、患者さんに優しい(服用しやすい)製剤を設計することを目的として研究にに取り組んでいます。
研究項目
<薬物ナノ結晶の創製と医薬品への応用>
・液体窒素・ドライアイスビーズを用いたコンタミレス凍結粉砕技術
・ナノ粒子に再分散可能なドライナノサスペンション技術
<OD錠配合用の苦味マスキング粒の開発>
・膨潤機能を持つ微小球形薬物粒子の製剤設計
・乾式による薬物成分単味の球形結晶の設計
・乾式による微粒子コーティング技術の確立
<新規製剤の開発>
・易溶解性成形ミルク(キューブ)の開発
・溶解改善を図ったシクロスポリン顆粒剤・錠剤の製剤設計
・優れた嚥下性能を有するゲル化顆粒(Gel-sphere)の開発
・茶葉の分散性を有するインスタント抹茶錠の製剤設計
・薬効持続型懸濁性注射剤の設計と通針性の評価