研究紹介

薬物動態制御学研究室では下記の研究を行っております。

研究背景・内容紹介

ドラッグデリバリーシステム(DDS)の分野で、主に吸入剤の研究をしています。吸入剤は、ヒトの吸入動作に合わせて、医薬品微粒子を肺内へ直接かつ非侵襲的に送達します。喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、呼吸器感染症などの肺疾患に対して優れた治療効果を発揮するとともに、経口剤や注射剤で問題となりやすい全身性の副作用を軽減することができます。また肺内では相互作用する生体成分(分解酵素など)が少ないことから、生体内安定性に乏しいバイオ医薬品(タンパク、核酸)やナノ医薬品の実用化が期待できる製剤開発としても近年注目されています。一方で、医薬品微粒子の肺内送達性については、更なる向上とともに年齢・性別・体格・疾患による個人差の問題を改善することが強く求められています。私たちは、「誰でも優れた肺送達性を達成できる吸入剤の微粒子設計」をベースとして、核酸やナノ粒子の医療応用を指向した次世代型吸入剤の創製・実用化を目指し、日々精力的に研究を推進しています。粉末微粒子の製造・物性評価、培養細胞を用いたin vitro実験、小動物を用いたin vivo実験など、工学からバイオまで幅広い研究内容を展開しており、学生は自分の希望に沿った研究テーマを選べます。

主な研究テーマ

・噴霧乾燥法、噴霧急速凍結乾燥法、超臨界二酸化炭素晶析法を応用した新規吸入用粉末微粒子の設計

・吸入気流中で崩壊・膨潤する新規吸入用粉末微粒子の設計

・核酸吸入粉末剤(pDNAsiRNA)の開発

・医療用ナノ粒子(リポソーム、機能性ナノクリスタル)を搭載した吸入粉末剤の開発

・自己組織化ナノ粒子を応用した吸入粉末剤・注射用粉末剤の開発

・関節内徐放性注射剤の開発

・ヒト吸入パターンを再現した吸入剤の評価

・肺内環境を再現した細胞評価系による吸入剤の評価

in vivoイメージングによる吸入剤の肺内送達・体内動態の評価

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