研究紹介

主な研究テーマ

・植物資源から新規抗がん作用物質および抗発がんプロモーターの探索と応用研究
(新規化合物の単離・構造決定と生物活性評価)

・食品機能解明の科学的アプローチ

研究内容紹介

「モルヒネ」を始めとして、植物由来の有機化合物、あるいはそれらをシーズ分子として開発された化合物が、貴重な医薬品として使用されている例は数多く見られます。がんの化学治療薬においても、ツルニチニチソウの成分「ビンクリスチン」「ビンブラスチン」、太平洋イチイの成分「バクリタキセル」(タキソール)を初め、ポドフィロトキシンを化学修飾した「エトポシド」、カンプトテシンより化学誘導された化合物「イリノテカン」はその例です。このように自然はまさに薬の宝庫であり、これから先も、新たな活性を有する化合物が見出される可能性が極めて高いと期待されています。
特に東南アジア一帯は世界最大級のメガダイバーシティーセンターを形成しており、アジア圏固有の植物種が数多く自生しています。これらの生物資源からはユニークな化合物が多数見出されており、また、熱帯圏の民間薬はその薬理作用が明らかとなっていないものも数多く、新たなシード化合物が見つかる可能性は非常に高いと考えられます。
本研究室では、主に熱帯圏の植物について成分を化学的に解明し、化合物ライブラリ-を拡充するとともに、抗がん剤や生活習慣病の予防・改善薬の開発を目指した研究を行っております。その他、カツオ節糸状菌が生産するがん予防作用を有する化合物の探索研究や、プロポリスや健康茶なども研究対象とし、植物資源から食品に至るまで、研究の幅を広げ今日に至っています。

一方、我々がふだん食べている食品には様々な機能が秘められているにもかかわらず、それらが科学的に解明されていないことが多く見受けられます。その理由としては、それら機能があまりにも多様であり、また様々なメカニズムが複合的に作用しているからだと考えられます。本研究では、それらを単純な系から少しずつ解明するために、関与する化合物の特定,機能解析を行っています。

ページトップへ