SPP薬学講座
SPP薬学講座「高校生に環境汚染物質の分析を通じて『地球環境問題』への問題意識を高めてもらう実験講座」(2007/8/21~22)
名城大学薬学講座の報告
本講座は「高校生が大学教育に触れることで、学習の動機づけや幅広い学力の向上を図るとともに自らの適性を見出し、将来の進路意識の明確化や進学目的の形成に繋がること」を趣旨とし、三重県立伊勢高校と名城大学が連携したSPP事業のひとつとして平成19年8月21日~22日の2日間にわたって実施したものです。伊勢高校生が名城大学薬学部に来ていただき、環境に関わる実験をしてもらいました。
実験項目の内容
- 湖沼汚染により異常発生するアオコの毒素を調べてみよう
- 水質汚染の指標となる溶存酸素(DO)を測ってみよう
実験のねらい
「地球環境問題(温暖化、環境ホルモン、オゾン層破壊、酸性雨など)」はわたしたちの生活を脅かすものとして、避けては通れない地球規模の問題となっています。化学の立場からすれば、環境汚染などの実態を精確に分析し、適切な対策を打ち出し、環境にやさしい技術を提供することが大切です。
今回、水質汚染の原因と影響について着目し、高校生に湖沼の富栄養化がもたらすアオコの中の有害物質の分析をしてもらう他、近くの河川や用水路などの水を採取してもらい、水質汚濁指標となる溶存酸素(DO)の分析をします。これらの実験が次世代を担う高校生の環境へのやさしさを育み21世紀に向けた「持続可能な社会」への取り組みに繋げたいと立案しました。
本事業は名城大学の高大連携教育事業の一環として三重県立伊勢高校との連携で実施するものです。
アンケート結果
受講した高校生の95%が「実験講座は楽しかった」と答え、そのうちの55%が「非常に楽しかった」と答えました。また、受講者の85%が「この実験講座で化学(理科)に対する興味が湧いた」と答え、60%が「進路選択に役立った」と答えました。
実験のようす
実験前に実習講義を受けました。
諏訪湖から採取したラン藻(アオコ)から有毒物質を抽出します。
各班に1名のTAがはりつき、実験のお手伝いをしました。
参加高校生の自宅付近から採取した水の溶存酸素を測定。
実験終了後、研究室・施設めぐりをしました。(新1号館5階の新しいモデル薬局)
伊勢高校の生徒さん、引率の先生方と、本学薬学部の担当教員との集合写真です。